MC後 LCIモデルのエンジンについて考える

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今回の記事はマイナーチェンジ(以下:MC)を行なった「New MINI」ハッチバック及びコンバーチブルについてです。外装や装備品については既に様々な記事で紹介されているのですが、当社として一番関心があるのは動力源であるエンジン。後期型(以下:LCIモデル)に変わって、どうのような違いがあるのか簡単にご紹介します。

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外装に大きな変化はない

まずは、簡単に外装をおさらい。MCを経てLCIモデルと変わったNew MINI F56シリーズですが、ランプ類のコンビネーションが変わったくらいで、バンパー形状などの変化はありません。これまでのMINIの歴史を辿ると、テールランプ内のバックランプがMC後ではリアフォグ内に移動することが通例でしたが、今回のMCではデザインこそ大幅に変更になったもののバックランプはリアランプ内にそのまま配置されています。

当社の製品群もサスペンションや補強パーツ、外装パーツは従来モデルと共通で使用頂けます。

エンジン構造が変化したはず…だが

LCIモデルで大幅に変更されたのが駆動系を含むパワートレイン。特にエンジンは最新の構造を採用するモデルへとアップデートされたとのことで期待大です。

そのエンジンの基本スペックについて

前期型

 Cooper S:XM72(B48A20A)
 141 kW/(192 PS)/5000rpm 280 N⋅m(207 lb⋅ft)/1250-4600rpm

 JCW:XM92(B48A20B)
 170 kW/(231 PS)/5200rpm 320 N⋅m(236 lb⋅ft)/1450-4800rpm
LCI型

 Cooper S:XR52(B48A20F)
 141kW(192PS)/5000rpm 280Nm(207 lb⋅ft)/1350-4600rpm

 JCW:XR92(B48A20B)
 170kW(231PS)/5200rpm 320Nm(236 lb⋅ft)/1450-4800rpm

車両モデル型式はXM → XRに変わりましたが、エンジンについては比較してみても出力そのものの変更はありません。
しかし、ここで注目なのが「Cooper S」ではエンジン型式が B48A20A → B48A20F に変更になっていますが、「JCW」では B48A20B のままで変更がないという点です。

LCIモデルへの変更のメインは新しい構造を採用するエンジンの変更だと解釈していたので正直少し拍子抜け?「Cooper S」はミッションに新たなダブルクラッチシステムのDTCを採用するなど大幅なアップデートが施されていますが、「JCW」は従来型のF54シリーズやF60シリーズに搭載されている8ATへの変更に留まるのみです。

JCW GPのリリースタイミングで更なる進化?

本国などの記事ではトルク許容の問題となってますが、JCWモデルシリーズの真のLCI型は「New MINI F56 JCW GP」がリリースされる時からというのが私たちの勝手な予想。R56シリーズがLCIモデル(エンジン型式:N14 → N18)に変わった時もJCWだけは“N14型エンジン”を搭載しており“N18型エンジン”に変更になったのは「JCW GP」がリリースされてからというのがその根拠です。実際の真相はわかりませんが、その可能性が高いと考えます。

ヘッド内 排気集合のエンジン

新構造のエンジンがどう変わったのかについて、詳しく紹介している記事がなかったので皆さんには簡単にご紹介。エンジン本体そのもののではなく、エンジンヘッド周りが大幅に変更になりました。

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新型のB48A20F型エンジン

では、どのように変わったのか?
それは、こちらの画像をご覧いただければわかると思いますが、従来型ではエンジン排気ポートは気筒数のままでエンジン外部に導かれ、いわゆる“エキゾースト・マニホールド(通称:エキマニ)”と呼ばれる部品で集合する一般型でしたが、新型 B48A20F型エンジンでは最近主流のエンジンヘッドの内部で集合を行い、エンジンヘッドにタービンが直付けする構造になっています。

この構造の利点は、まずは単純にエキマニ本体の部品が必要なくなるためエンジン単体のパーツコストを抑えることが出来ますし、省スペースです。そして、排出ガスが外部に晒されることなく温度が冷めないうちに排出ガスの浄化装置である「キャタライザー(触媒)」に到達することです。これにより、短時間でキャタライザー内部のセル本体が性能を発揮する適正温度に達するため、特に冷感始動時には効率的な浄化開始を実現出来ます。

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従来型のB48A20B型エンジン

参考までにこちらはJCWに搭載の B48A20B型エンジン の構造。エキマニとタービンが合体した部品構成のままです。N18型エンジンではエキマニとタービンはそれぞれ単独部品でしたので、技術の進歩と共に部品構造の合理化が進んでいると言えます。そう言う意味で、B48型エンジンになってからの上記画像15番の電動式ウエストゲートアクチュエーターもとても素晴らしい技術の一つだと思います。

レイアウトやデバイスは変更

JCWモデルのエンジン構造が従来のままだとガッカリしないでください。これらの構造のほとんどが排出ガス改善を目的とするためのもので、私たちのようにチューニングをベースで考えた場合は、バックプレッシャー制御など従来構造の方が良いことが沢山あります。また、インテーク側の部品や燃料関係では新型構造エンジンと同じシステムデバイスが多く採用されています。純粋にエンジンヘッド構造は従来のまま(ハイパフォーマンスのJCWモデルでは、現状ではその方が良いという判断であると思います)で、その他の補記類についてアップデートがしっかりされている印象です。

そして、私たちが面白いなと感じたのは、日本仕様では新しい構造となったエンジンを搭載する「Cooper S」ですが、東南アジア向けの車両ではエキマニ付きの従来構造での構成部品となっている部分です。JCWモデル同様の思考回路で、燃料や外気温などの環境により「得るもの」と「失うもの」をしっかりと天秤にかけて目指す目的の仕様を決定しているマネジメントは、さすがBMWグループといったところで感銘を受けますね。

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当社ではエンジンコントロールシステム(DME)内部のエンジン制御方法やハードウエアの基本構造を理解した上で、今後LCIモデルへの適合追加を順次行ってまいります。リリースをお楽しみに。

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